時の経つのも忘れてログハウスつくりに没頭した8日だったが、そのログハウスがついに完成した。
完成したトラスをクレーンで吊り上げシェルの上に載せる。いわばログの戴冠式だ。
丸太の箱に過ぎなかったログの壁が家へと変身する瞬間だ。
無事ログハウス完成にこぎつけ、いよいよカナダ横断のログハウス見学ツアーの始まりだ。
第1回 スクールを開いたいきさつ
第2回 スクールでの楽しき日々
第3回 アウトドアの天国
第4回 ログの完成そして旅へ
第5回 エド・キャンベル
第6回 出あったログハウスたち
第7回 once in a life time builder
第8回 ログハウス見学の旅
第9回 シャトーモンテベーロ
第1回 目次
1.ログシェルの完成
1. トラスをクレーンで吊り上げる
クレーンで吊り上げられたトラス(屋根構造)を下から見上げる。空中高くを浮遊しているその姿はいささか奇妙な、しかし何とも魅力的な形をしている。恐らく5t近くあるだろう。全員が見守る中ユックリと下りてくる。
スクール最終日、ここまでの集大成がこのトラスを載せるという作業、いわばログの戴冠式だ。
四段に組んだ丸太の壁の上8箇所にポストが立ち、その上に四角形の桁が載っている。4隅に生徒達が陣取り、トラスが降りて来るのを待ち構える。
全員の目が一様に中空の一点を見上げトラスを追う。すーッツと降りてきて、1m近くにまで接近し一旦ピタリと静止し、そこからユックリと下ろしていく。
無事戴冠。生徒達、ダン、ピーターとビバリー、皆の間から自然に拍手が沸き起こった。
積み重ねた丸太の壁、ポスト、そしてトラス、家をなすそれぞれの部品が散在し、ダンが書いた図面があり、それらが最終的にはどんな形になるかは皆完全に分かっているのだが、不思議なもので、分かってはいても、その瞬間に戸惑うほどの感激がある。
2.良くぞ短い期間に完成したものだ
短時間に完成したものが目の前に生を受けて誕生するのである。
こうしてそれぞれの部品が合体して完成する時にのみ感ずる独特のものがあり、感激がある。それがログハウスの場合は特に大きいのは、太い丸太を相手に全身を使って作っていくというその過程にある。
生徒達にとっては生まれて初めての体験である。皆その感激に言葉を失って、しばし茫然としている。
実際に作業したのは8日間、この短い期間に良く完成したものだ。生徒達も毎日熱心に作業し、お陰で最初の頃に比べ格段に腕を上げ、そして何よりもここでの生活を心から楽しんでくれた。
2.カナダ横断の旅へ
1. 旅の準備
黄葉し始めにこのサイトに着いたのだったが、短い間に周囲の山々の緑と黄色が入れ替わり、色濃くなり、やがて風がその黄色を吹き散らしていく。
秋が短い、スクールサイトには初冬の気配が漂う。東京と比べ2ヶ月以上の季節感のずれがある。そういえば2〜3日前風花が舞っていた。間もなく早い冬が訪れ、半年以上雪に埋もれることになる。私が出会ったあの熊も冬眠の準備に忙しいことだろう。
スクールサイトを掃除し荷物をまとめ旅の支度をする。
短い間に慣れ親しんだこのヘルメッケン・フォールスロッジ、そしてジョッギングの相棒スモーキーとも今日でお別れだ。(ピーターとビバリー夫妻はツアーに同行することになった)一抹の寂しさと、これから始まる旅への期待とが胸を交錯する。
2. いざ旅だち
出来るだけ多くのログハウスを見て貰いたいと一寸ばかり欲張り過ぎたかもしれないが、バスで移動を繰り返し、家か次の家へと見て回る。なにしろログハウスを求めてカナダの西から東へと縦断しようというのだから。
大体の行程はx知ってはいるが、どんな旅になるのか、どんな家に出会い、そしてどんな人々に巡り合えるのか。
そしてカナダの大自然。
旅の準備をしている時も何故か胸の時めきを覚える。
ウエルズ・グレイパークでの丸太小屋スクールを終え、ダンのガイドでログハウス見学のツアーをスタートした。チャーターバスでB・C州内を町から町へと走り、何人かのプロのビルダーを訪ね、彼らの作品を見て回る。
勿論ダンの建てた家も。セレスタ、ソレント、サーモンアームと小さな町を巡り、バンフのロッジに泊まりカナディアン・ロッキーを超え、隣のアルバータ州の州都カルガリーから一気にモントリオールへと飛び最終目的地のシャトー・モンテベーロへと向かう。カナダ横断の旅の始まりである。まずはエド・キャンベルのところへ。彼と会うのは半年ぶりだ。
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