忙しいスクールの合間にも自然を満喫した
まずはヘルメッケンの大瀑布見学、カナダでも4番目に大きな高さ120mの大きな滝だ。
ホースバックライディングにカヌーとアウトドアのスポーツには事欠かない。
時には熊に出くわすこともある早朝のジョッギング。ハスキー犬のスモーキーがジョッギング兼用心棒だ。
第1回 スクールを開いたいきさつ
第2回 スクールでの楽しき日々
第3回 アウトドアの天国
第4回 ログの完成そして旅へ
第5回 エド・キャンベル
第6回 出あったログハウスたち
第7回 once in a life time builder
第8回 ログハウス見学の旅
第9回 シャトーモンテベーロ
第1回 目次
1.ヘルメッケン大滝
カナダは森と湖の国、およそ200万を数える湖があり、その延べ面積は広大な国土面積の約7.6%にあたる。実に日本の国土の1.5倍に相当する。その湖から川が流れ出しあるいは注ぎ込み、その川が長い年月をかけて地形を変えそして大小無数の滝を形成する。
ヘルメッケン滝の落差120mはカナダで4番目である。この滝は何万年もの年月を重ねて周囲を削りながら後退し、高さ100m以上、延々数十キロに及ぶ長大な大峡谷を形成している。
ここはアウトドア派には天国のような場所だ。真面目に作業するだけでは勿体無いではないか。作業を少し早めに切り上げ、一寸足を伸ばすと遊ぶ場所には事欠かない。まずはこのヘルメッケン・フォール(滝)見学。
ごうごうと腹に響く遠雷のような轟き。圧倒的な水量。遠く展望台からの眺めに生徒達の間から期せずして歓声があがる。冬季に入ると、次第に凍り始め、下からせりあがってきて、100m近くものコーンを形成するのだとピーターが説明してくれた。
この滝はメインの滝を含め3段になっている。滝の麓に行けば間近にその威容を眺められるのだが、往復に半日かかると言われて諦めた。ここウエルズグレイ・パークは、たとえ一月間過ごしてもほんの片隅しか見ることの出来ない広大な公園なのである。像の尻尾を触るくらいで我慢するしかあるまい。
2.ホースバック・ライディング
希望が多かったホースバック・ライディングにもトライした。
スクールサイトから車で20分ほど走った所に観光用の牧場があり、別な日3時頃に作業を終え出かけた。
各人に馬を割り当てられ、乗り降り、拍車の使い方、手綱さばきなどを5分ほどかけて極く簡単に教わると直ぐにスタート。
草原をポコポコ歩き暫くすると林に入っていく。木の枝で首を吊らないよう右に左に頭を振って枝をかわしながら、一列になってトレイルを辿っていく。登りでは馬の首にしがみつき、下りでは反身になってバランスを取る。断崖絶壁のすぐ際を通る時は緊張する。覗き込むと、遥か下方に渓流が走っている。落差150mはあるだろうか、転げおちたらまず命はない。
3.ジョッギングのパートナー、スモーキー
1.早朝のジョッギング
早朝、スクールの始まる前ウエルズグレイの山中をジョッギングすることにした。
ある日「ジョッギングしたいのだけれど良いコースを教えて欲しい」、と、ピーターに頼むと「いつも走っているコースを案内してあげるよ」と一緒に走りながら案内してくれた。
うっそうとした林を切り開いた起伏に富んだトレイルである。その時二人に伴走してくれたのが、ハスキー犬のスモーキーだった。以来短い間ではあるがハスキーは私のジョッギングの相棒を務めてくれた。
ほんのり汗をかき始め、徐々に体が目覚めていく。長い年月をかけて堆積した腐葉土がクッションとなり足に心地よい。サクッサクッと枯葉を踏む自分の足音が快適なリズムを刻む。
ここは北緯51度。稚内をはるかに越えて樺太の真ん中あたりと同じ緯度で、陽が昇るのが遅い。7時では周囲はまだ薄暗く‘早朝’という感じなのである。
吐く息が白い。季節感も2ヶ月程違う感じだ。東京はようやく残暑が終わり季節はためらいながら夏から秋へと移り変わる頃だろう。
2.トレイルは野生動物の宝庫
ハスキーは後になり先になり私についてくれている。私を気に入ってくれたのか、それとも危なくて放っておけないとの義侠心からか、翌日ジョッギング前に準備体操をしていると近寄ってきて、走り出すと当然のように付き添って一緒に走ってくれたのだった。それ以来朝一緒に走るのが日課になっていた。
朝起きるのがつらくて、今日は止めておこうかなと思う日もあるが、(スモーキーが待っている、がっかりさせる訳にはいかない)と、自分を励まして、眠い目をこすりながらジョッギングウエアに着替えるのだった。
熊には一度出会っている。何か黒いのが動いていると思ったら立ち上がって、もの珍しげにこっちをみていた。30mと離れていなかった。(あっつ熊だ)と思ったが不思議と恐怖心がわかなかった。
熊は臆病である。いきなり出くわして驚かすのは禁物、コーナーを曲るとき何となく緊張する。スモーキーが護衛役で一緒に走ってくれるのは心強かった。リスや鹿にもであった。
先の見えないカーブに差し掛かるとポンポンと手を打つ。いきなり出くわして驚かさないようにと、前もって熊に警告するためだ。
「遅いなあ、もたもたしていると置いてくよ」と言わんばかりに、スモーキーはこちらを振り返り振り返りし、離れすぎると「もう、仕方ないな」と戻って来て暫く伴走してくれるが、また直ぐにすっ飛んで行ってしまう。
(お前のペースに合わせたら100mと持たないよスモーキー)
カナダの山中を朝こうしてスモーキーと一緒に走っている。つい最近まで東京にいて忙しく働いていたなどと嘘のようだ。
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