カナダのログハウス
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カナダのログハウス

表紙



作業風景
エッセイ
世界一のログハウスを作った男




  • 手づくりの魅力を求めて
    丸太を削って手づくりでつくるログハウスの人気が日本でもたかまっているが、豊かな森林をもつカナダには、コツコツと時間をかけて家をつくる素人ログビルダーたちが多い。
  • カナダのブリティッシュ・コロンビア州で“ログビル・スクールを開いたのを機に、本場のログハウスをみたが、それぞれ独特の個性と雰囲気をもち、周囲の自然に溶け込んでいた。
  • そこには、都会のなかで失われたものをとりもどす「心のゆとり」が感じられた。
  • カナダで開催したログハウスのスクール&ツアーの様子をアサヒグラフ誌が記事として掲載してくれた。


1カナダでログハウスつくりスクールと見学ツアー

1-1 ログハウススクール

カナダのブリティッシュコロンビア(B・C)州は森林の多い州で、飛行機の中からみると、どこまで行っても大森林原が続いている。日本の2.5倍の面積をもつこのBC州にはプロのハンドクラフトのログビルダーが二百人はいると言われている。1983年、84年の夏、私はカナダから友人のログビルダーであるダン・ミルンを講師として呼んで、日本でログビル・スクールを開いた。予想以上に多くの人々が参加し、ログビルへの関心が強い事をしった。今年は是非本場のろぐはを見てもらいたいと考え、この秋「カナダB・Cロブビルスクール」を開いたのである。
前半の八日間はBC州のウエルズグレイーパークという四国ほどの面積の大自然公園に隣接する山中で実際にログビルを体験してもらった先生はダン、私はアシスタント、通訳、兼ツアーコンダクターの三役。18坪(60u)のピクニック用のシェルターを完成した。参加者は10人、うち一人は女性である。16日間も休みをとって参加するほどなのでみんなログハウスにとりつかれ、いずれは自分の手で建ててみようと真剣に考えている人たちである。

 

雑誌1

◆ログ・スクール風景。 五日目くらいになるとチェーンーもかなり自由に扱えるようになってくる。太いログを切り込んでいく手ごたえには病みつきになるような楽しさがある。

スクール

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1-2 見学ツアーへ出発


スクールの終了の翌日、バス見学のツアーに出発した。訪問先は、ダンの仲間のビルダー達が建てた家である。
設中の家、完成したログハウス、オーナーとプロのビルダーが共同で建てた家、構法もデザインもひとつとして同じログハウスはない。自分たちの自分だけのログハウスという感じを強く受けた。ある程度はプロの手を借りるが、完成した後は当たり前のように家族で自分の家を改良し維持している。永久に完成しないのである。の為にどこの家のぎっしりと道具類の並んだ作業室とを持っている。自分日本と違うなと感じたのはセルフビルド、DIYの精神が脈々と波打っているということであろうか。

◆普通の家の作業室。ログハウスの楽しさはこれらの道具を使い家族で仕上げてゆくというところにある。
カナダ地図◆カナダの地図 (見学ツアー)
左側黄色く塗られているのがブリティシュコロンビア州(州都バンクーバー) 。この中心あたりにスクールを開校した。この州だけで日本の2.5倍の広さがある。
バスをチャーターしてB・C州からとなりのアルバータ州(州都カルガリー)のログハウスを見学して回り、飛行機でモントリオールのオタワへとカナダを横断。二つの州には4時間もの時差がある。シャトーモンテベーロからシャトモンテベーロへとバスの旅。

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2 ログハウスの見学

2-1エド・キャンベルのログハウス 

エド・キャンベルはログハウスの第二世代

カナダでハンドカットのログハウスに人気が出てきたのは、この四十年くらいのことだ。現在活躍しているビルダーたちが技術的に改良を重ね、デザイン的にも洗練されたログハウスを作ってイメージを高めてきた結果なのである。
開拓者の時代の素朴な家をログハウスの第一世代とすると、ログハウスをリバイバルさせたエド・キャンベルやダンミルン、デル・ラドムスキーなどが第二世代、そして高級な別荘や住宅としてすっかり定着した現在のビルダーたちが第三世代といえるかもしれない。エド・キャンベル氏はその草分けの一人である。カナダ・ログビルダー協会の二代目会長を務め、二百棟以上のログハウスを建てている。

エド・キャンベルの家●永久に完成しないログハウス

彼自身の家は建築を初めて五年近くになるのだが、いまだに未完成で、天井などは断熱材がむき出しのままである。エドの家を訪ねるのはこんどで五回目だが、そのたびにほんのわずかしか進んでいない。生活するうえで不自由のないところまで出来るとあとは暇をみてのんびりと仕上げていくのである。「いつ完成するの?」ときくと「永久に出来上がらないかもしれない」と、ニヤッと笑った。(※数字は2012年現在の数字に変えている。なおログハウスの会社は息子のブライアンが後を継がせ現在はパートナーとしてフロンティアワールドを支えてくれている)

◆エド・キャンベルの家:ログハウスには暖炉がよく似合う。屋根はシダーシェイク(シダー丸太の手割の板の屋根材)を張りつけている。
◆エド・キャンベルの家 :薪が豊富で安く入るので殆どの家に薪ストーブが見られる。彼はテーブルなども家具も自分でつくってしまう。
エドの建てた家◆エド・キャンベルが建てた家。一般のイメージとはちょっと違うがログハウスにもかなり自由なデザインが可能だといういい例だ。この家は全面ガラス張りである。
◆エド・キャンベルのログハウスつくりの作業場
自分の作業場でログシェル(ログの壁)を加工し出来上がったあとは解体して運び再び現地で組み上げる。木の皮を剥くところから全て手作りである。

 

 

 

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2-2 ログの工法の見本ホールズワースの家 

外観●プロのログビルダーとオーナーの共同作業
プロの手になる家も多いが、素人が自分の手でログハウスを作ってしまう例も多い。プロの手を借りたあと、家族が住みながら協力しあって仕上げるというケースである。ほとんどの家に広いスペースの作業室があり、われわれの目かみると、プロの使うような立派な道具類がズラリと並んでいる。カルガリーにある弁護士ホールズワース氏の家もそんなログハウスの一つである。プロのビルダーにたのみ、仲間を集めて、教わりながら作り上げていった。
暖炉●ログハウスの大きさとデザイン
ログハウスにも幾種類かの組み方があり、この家はそのすべての工法を組み合わせたログハウスの見本のような家である。日本的な考え方ではもったいないと思うような思い切った空間のとりかたをしている。構造的な複雑さデザインのおもしろさ、さらに大半を素人が建てたという点でも大変興味深い家である。普通なら欠点になるようなログの傷や凸凹を逆に生かして自然の素材の面白さを100パーセント引き出している。個人の別荘ながら七百四十二平方(約225坪)という壮大なもので、一寸したプチホテル並みの大きさである。建て始めて七年目だがまだ完成していない。
「内装、電気や水道の設備、暖炉などもそれぞれの分野の専門家に聞き、友人たちと勉強しながらコツコツやってきた。もう少しで完成だよ」と彼はいう。自分の作品に対して愛着と誇りをもつ芸術家と同じである。

 

◆ログハウスのいろいろの工法を組み合わせたホールズワース氏の別荘。
◆石と天窓:近くで採れる石を運びコンクリートの基礎の表面にコツコツとはっていった。天窓はログハウスによくみられ、採光が効果的に生かされる。

◆暖炉 壁の一面全部に石をはり暖炉としている。一〜二階四つの部屋にそれぞれ焚口を持ち、暖房システムとしても合理的で面白い。吹き抜けの空間の大きさが何ともうらやましい。

2-3ドイツの大工技術を取り入れたログハウス  


チャーリーマンツが建てたログハウス
ツアー三日目、ダンの友人のデル・ラドムスキーが美人の奥さんと一緒に案内してくれた。彼はビルダー歴九年、これまで三十五棟のログハウスを建てている。最初に案内された家は、シュスワップレイクといリゾートとして有名な湖を見下ろす場所に建っているチャーリーマンツ氏の家だった。マンツ氏にドイツなまりがあるので聞いてみると、ドイツでフィニッシュカーペンター(仕上大工)をやっていて二年前にカナダに移住したという。丸太の部分だけ
デル・ラドムスキーに手伝ってもらい、あとは家具にいたるまでの一切を自分で作っている。マンツ氏はこの家を売りに出していた。土地半エーカー(約600坪)つきで十三万八千カナダドル。(約千三百万円)建物の延べ床面積は185uである。この家が売れたら、また次の家をつくるのだという。

マンツの家◆繊細なドイツの大工技術とログのくみ合わせが独特の味わいを見せている。
◆ベランダ:ログハウスにはかならずといっていいほどベランダが付いている。このベランダの椅子に座り、湖を見下ろす気分は最高。
◆アーチウエイカット    開口部を丸くカットすると面白いログハウスならではの味わいがある。絨毯や家具類が壁と良くマッチしている。

 

 

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2-4 ダンミルンが建てたログハウス 

このカナダでのログスクールとツアーの全てをアレンジしてくれたのがダン・ミルン。ログハウスの修業時代カナダのマッキースクールで知り合い、「いずれ日本でスクールを開くからその時は是非手伝ってくれ。喜んで手伝うから呼んでくれ」そう約束して別れた。ダンはプロのビルダーであると同時に優れた先生でもあった。カナダでの修業を終えて翌年日本でスクールを開校。以来夏の5シーズン、ログスクールを開き延べ300人以上の生徒を一緒に教えた。

ダンの建てた家
このカナダでのスクールもダンの協力がなかったら実現していなかった。私は日本での生徒を募りダンは場所のスクールサイトの選定からスクールで作るログのシェルの設計、丸太や道具の調達。ツアーでのビルダーやログハウスのオナーとの交渉・・・・その一切をアレンジしてくれた。
ツアーの間も自分の建てた家を二棟案内してくれた

◆ラウンドノッチで組み合わせた典型的なログハウス。カナダでは別荘としてよりも普通の住宅として住んでいる例が多いようである。
◆エバハート・ディール家のご主人は麻酔医師。ダン・ミルンにログのシェル部分を建ててもらった後内装は自分でコツコツとやっている。一か五人。家の大きさ660u(約200坪)

麻酔医師の家

2-5その他のログハウス

太い丸太を使ったログハウス
◆マイクカミングスが建てたログハウス。 
彼は太いログを使うのが好きなビルダーでこの家も平均直径40センチくらいの丸太を使っている。ログの持つ重量感が伝わってくる。
丸太と石◆マイク・カミングスの建てたログハウス。ログと石同じく自然の素材ながら軟と硬、暖と冷、見事な対照だ。これはログのポストの間に石を張った例。
◆120年以上経たレイファーム農場の納屋。今は無人のため朽ちるに任せている。開拓者たちの夢の跡という感じ。

工法はログハウスの中でもダブテイルコーナー(ログエンドが鳩のしっぽの形をした組み方)という日本にはあまりなじみが薄いが伝統的な組方だ

道具◆ログハウスの道具
これだけの道具を揃えればログハウスを建てることが出来る。何といっても主役はチェーンソー。木を切るだけでなく、いろいろ複雑な加工もほとんどこなしてしまうオールマイティーな道具である

 

 

 

 

 

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3 世界一のログハウス

カルガリーでおんぼろバスに分かれを告げ、モントリオールへとひとっ飛び。さらに車で二時間。シャトーモンテベーロにつく。ここはまさしくログの城、世界一のログハウスである。

3-1シャトーモンテベーロ  

モンテベーロこの城は80年以上まえ(2012現在)一万本の丸太をつかい、八百人のビルダーが、四か月という信じられないような短期間に作り上げたという。中央部は大ドームになっており、その中心には世界一と言われる二十二メートルもの暖炉がそびえている。
まだチェーンソーもない時代に、ビルダーたちは斧を振るい、膨大な数の丸太を複雑に組み合わせていったのである。ヨーロッパの王侯貴族、アメリカ、カナダの大金持ちハリウッドのスター達などのVIPが集まるクラブハウスとして作られ、現在では210の客室を持つホテルとして経営されている。
1981年レーガン大統領、イギリスのサッチャー首相、ドイツのシュミット首相、日本の鈴木善幸などが集まったオタワサミット(先進国首脳会議)の舞台となり、歴史のなかにひっそりとたたずんでいたこの建物は再び世界中の脚光を浴びることとなった。

エッセイ
世界一のログハウスを作った男

モンテベーロ

3-2 古くて新しい建物ログハウス

 ログビルの歴史はとても古い。北欧で、千年以上経たスクライバー(ログハウスつくりの道具の一つ)が発見されたという話を聞いたことがある。ノルウエイには八百年以上前のログ建築物が現存している。カナダは歴史の浅いがそれでも百年以上たったログキャビンがあちこちに残っている。
 開拓者、フロンティアの時代、立っている木と転がっている石、生えているコケ、そして土が建築材料だった。そして代々受け継がれてきた斧やのこぎりなどの道具が家族を守るシェルターである「家」を作る上で極めて大切なものであったに違いない。家の作業室にずらりと並んでいる工具類が「ドゥー・イット・ユアセルフ」精神の象徴のように思える。

 ログビルの歴史はとても古い。北欧で、千年以上経たスクライバー(ログハウスつくりの道具の一つ)が発見されたという話を聞いたことがある。ノルウエイには八百年以上前のログ建築物が現存している。カナダは歴史の浅いがそれでも百年以上たったログキャビンがあちこちに残っている。
 開拓者、フロンティアの時代、立っている木と転がっている石、生えているコケ、そして土が建築材料だった。そして代々受け継がれてきた斧やのこぎりなどの道具が家族を守るシェルターである「家」を作る上で極めて大切なものであったに違いない。家の作業室にずらりと並んでいる工具類が「ドゥー・イット・ユアセルフ」精神の象徴のように思える。
 古くて新しい建物、ログハウスを語る時そんな矛盾したフレーズが浮かぶ。ログハウスの全盛期古い時代の象徴的なログハウスがシャトーモンテベーロといるかもしれない。

暖炉

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