04躯体工事
●柱、壁、梁、床、天井といった建物の骨組みを作る工事のことを総称して躯体工事といいます。工期の中で最も時間を要する工程でもあり、建物の主要構造部を作る重要な工事です。
躯体工事でもRC工法(鉄筋コンクリート造)ツーバイフォー、丸太組みではかなり違いがあります。
構法ごとに少しその内容が異なりますので、ここでは各構法別説明します。
01地鎮祭 03基礎工事
躯体工事と工程
躯体工事は工期が長いため、スケジュール管理が不十分だと全体の工期の遅れにつながります。
そのため、建築現場では躯体工事の工期を短くするためのさまざまな工夫がなされているのです。
躯体工事が効率良く管理されていれば、工期に余裕を持って作業を進めることができます。躯体工事は工事全体のスケジュール管理という面からも重要なのです。
◆写真右:棟木をクレーンで吊り下す。(ツーバイフォー構法)
ツーバイフォーの躯体工事
建築基準法上は壁枠組壁構法を呼ばれていますが、日本では通称ツーバイフォー構法と呼ばれています。建築物の躯体部分を2インチ×4インチの木材で枠組みを作り、その上に構造用合板を打ち付けて壁や床を形作り、それが躯体の骨格を成しています。
日本の住宅に多く使われている木造軸組工法は、柱で家を支えますが、ツーバイフォーは壁で建物を支えます
ツーバイフォーの躯体工事の流れ
躯体部分のパネルを工場で生産しそれをトラックで運びクレーンを使用して一階床→壁→二階床→二階床→二階壁→屋根→と躯体を組んでいきます。 ◆写真右:一階の壁のスタッド(間柱) を組んでいるところ。
スタッドとは柱と柱の間に立てられる細い柱。
は壁・床・天井と全体で建物を支えている為、ツーバイフォー(枠組壁工法)在来工法より、耐震性に優れていると言われています。
◆写真右:ツーバイフォー構法の躯体の完成
丸太組構法の躯体工事
ログハウスは二種類あり、ログ(丸太)クロスさせながら一段ずつ積み重ねてゆく、丸太組み構法と、丸太を、柱、梁、筋交いなどに加工し組み立てて行くポスト&ビーム(P&B)です。
構法的にはポスト&ビームも在来工法と同じに軸組耕法になりますので、 ここでは一段ずつ積み重ねてゆく丸太組構法について説明します。
出来上がった床の上に丸太を一段づつ積み上げ、基礎から立ち上げた鉄筋で丸太を緊結して行きますので非常に頑丈な躯体になります。
丸太の躯体部分を他の場所で組み立てる
出来上がった床の上に直接ログの部分を組んでいく方法もありますが、一般的には他の場所でくみ上げ→解体し→トラックで運び→完成した床の上に一段ずつ重ねて行く方法を取ります。◆写真右:カナダのログサイトでくみ上げ→クレーでコンテナに入れている所。その後船で輸送→建設現場に運び→再度組み立ていきます。
建築現場で再度組み立てる
ログサイトでくみ上げた丸太を、再び建築現場でくみ上げていきます。予め作っておいた一階の床パネルに、運んだログを縦横縦横と半段づつずらしながら積み重ねていきます。
◆写真右:建設現場で3段目のログを組んでいるところ。
壁が積み上がり、二階のログの柱を立て、その上に棟木や母屋を載せ、屋根の躯体部分が出来上がります。この部分は要領よく進めれば1日か2日で仕上がります。特にハンドカットのログの全て部分は違いますので、上手くわかりやすく配置しておき、メンバー全員が覚えておくことが重要です。
◆写真右:壁が積み上がり、棟木(リッジポール)を載せログの躯体部分の完成です。
右の写真は棟木が二本に分かれるダブルリッジと呼ばれる方法です。
ログハウスの住宅
RC(鉄筋コンクリート)の躯体工事
RC(鉄筋コンクリート)の躯体工事は杭工事、基礎工事が終わった後に、建物の本体部分を作る工程です。
柱や梁、床・壁が鉄筋とコンクリートで構成されており、鉄筋を組んだ型枠にコンクリートを流し込んで固めます。特長的なのは、2つの材料を組み合わせることでマンションなど建物に必要な強度を得られる点です。
ここではそのRC工事の躯体工事の流れについて説明します。主要な構造を形成する重要な工程ですので、施工管理者はコンクリート、鉄筋、鉄骨、など豊富な知識が必要とされます。
建築例 32 東京のRCのマンションで建築例を見ながら、説明します。
鉄筋工事>
鉄筋工事とは、建物の骨組みとなる鉄筋を網目状に組み上げる現場作業で、建物の構造力学的に重要な作業です。必要に応じて適切な長さに切ったり、曲げたりする加工をします。
鉄筋はもともと一本づつばらばらにあります。 工場で圧接機で加熱圧接し加工した鉄筋を1本ずつ繋ぎ合わせていき、配筋します。
現場で取り付ける鉄筋は、必要に応じて適切な長さに切ったり、曲げたりする加工をしなければなりません。圧接が終わったら鉄筋を結束します
写真右 :床の上に間柱が立っている。
型枠工事
鉄筋を配筋した後、コンクリートを流し込んで形作る型枠を施工します 。施工図から寸法や形状を拾い出して加工図を作成します。
ベニヤなどを使用し、多くは工場で加工したものを現場に運び込んで鉄筋の周りに組み立てるのです。
中には再利用性の高い鋼製型枠を使用することも あります。
コンクリート工事
熱に弱い鉄筋をコンクリートで覆い、熱から鉄筋を守って酸化を防ぎます。
コンクリートは上から押さえつける「圧縮」に対する抵抗力はあるものの、「引張力の弱いのが弱点です。これを引張力に強い鉄筋で補強しています。 鉄筋とコンクリートの両方をうまく組み合わせることで、建物を守る剛性や耐久性を保っているのです。
写真右;完成したRC工法のマンション →
建築例32 RCのマンション
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