03寒冷地の基礎工事
家を新築する時、重要なのが「基礎工事」です。
基礎工事は鉄筋とコンクリートで造られる住宅建築の工程のなかでも非常に大事で工事で、確認をすることが必要な工事です。家の基礎づくりの工程の中でチェックすべきポイントをまとめました。
基礎工事は建築物の強度や耐震性に大きな影響を及ぼす工事ですが家が建ってからでは確認することが出来ないだけに、一般にはなかなかわかりずらい工事でもあります。
基礎工事の種類
基礎は
大きく分けて「独立基礎」「布基礎」「べた基礎」の3種類があります。
基礎というのは、その建物を支える土台の部分のことで、家の重さを地面に伝えるという役割があります。この土台を作る工事を「基礎工事」を呼びます。 基礎工事にはいくつかの種類があり、その建物が建つ地盤の硬さなどによって、工法も変わってくるのです
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基礎工事
凍結深度と基礎工事
寒冷地の基礎工事 工程1 設計図
基礎断面図
工程の第一段階は図面の作成です。
右の図面は基礎の断面の一例で。 真ん中ほどにある横線はグランドレベル。基礎の幅配筋の様子など基礎の造りかたの詳細がこの図で説明されています。
下から割栗石→捨コン→フーチン→布基礎部分の順序。基礎の深さは(フーチンの底からグランドレベルまで)凍結深度以下とする凍結深度は地域ごとに指定されており管轄の建設課などに 問い合わせると教えてくれます。
◆右図:基礎断面図の例 →
基礎伏図(きそぶせず)
基礎伏図とは、住宅の基礎の配置や形状を表示した平面図のこと。住宅では、布基礎、独立基礎や土間コンクリート部分、床下換気口や束石、アンカーボルト 等の位置などの他、鉄筋の太さやピッチなども表記されます。
◆下図:基礎伏図の例↓二重斜線の入った部分はコンクリートのベタ基礎の部分
周囲の布基礎部分のには土台との緊結(キンケツ)用位置があります。
寒冷地の基礎工事 工事の流れ
基礎工事の工程 各段階の説明
基礎工事の工程の流れをおまかに把握しましよう
1・掘削→地業
2・フーチング→墨だし→型枠組→コンクリート打ち
3・立ち上がり墨だし型枠組
4・配管スリーブ→床下換気口
5・立ち上がり部コンクリート打ち→養生→型枠解体→埋戻6・し→躯体建て方のための墨だし
◆右写真:掘削を終えたところ
基礎工事の工程 地業
基礎を打つための溝を掘る作業工程などを地業といいます。水盛り遣り方で出された基準線をもとに基礎が設けられる部分の土地を掘っていきます。この作業を値切りといい基礎の形土地の状況によって掘方に違いがあります。フーチン(footing)の幅より少し広めに掘り下げていきます。
割栗石
値切りの底面を十分に突き固め、その上に割栗石と言われる1cm〜4cm程度の大きさの砕石を均一に敷き詰める→その隙間に砂利(目つぶし砂利)を充填する底にの砕石を敷きランマーで突き固めていく。この上にコンクリートを平らに打つ(捨コン)。
捨コン
捨コンは基礎の位置や幅などをの線を出す墨だし作業のために行われます。捨てコンクリートとは、正確な位置を出すためと鉄筋が地面に直接触れないため、地盤の上に作られた新しい水平面。
すべての工事工程はこの面にしたがって進んでいくことになります。捨てコンクリートには地盤の上に新しい水平面の基準を設けることのほかに実物大の設計図という意味もあります。捨てコンクリートの上に、墨出し(部屋などの位置を確定するための線)を行い、それに沿って工事は進んでいきます。
◆右上:掘削を終えその上に砕石を敷き詰めていく。この後ランマーという機械でつき固める。
寒冷地の基礎工事 工程2
配筋工事と型枠
墨だしの線に従って鉄筋を組む工事を配筋工事といい、コンクリート基礎の強度はこの配筋工事のよしあしにかかっています。 コンクリートを流し込んでしまえば見えなくなってしまうので、中間検査はこの配筋工事が終わりコンクリートを流し込む直前に行われます。後から折角組んだ鉄筋をカットすることのないように、床下換気口やガス・水道の配管のために必要な穴(スリーブ)の補強のために補強用の鉄筋を組んでおきます。
◆右写真:型枠を組み配筋したところ
基礎工事の工程 型枠工事
型枠工事とはコンクリートを流し込むための型を作る工事。別名を仮枠工事といわれるようにコンクリートと打設してしまえば必要なくなりますし、また 転用して何度も使用するため、工事費の大部分が人工(労務費)です。そのためいかに効率よく作業するかが大切。
住宅基礎で使われる型枠は、鋼製枠(鉄板)・木製枠(木製の板)の2種類があります。◆右写真:鋼製の型枠→
一般の人が型枠工事を見る機会もすくないのですが、勉強のために自宅の工事に使用されている型枠を知っておくのもいいかも知れません。 それぞれメリットデメリットがあるので一概にどちらが優れているとはいえません。
鋼製枠のメリット・デメリットメタルフォームとも呼ばれ、メッキ鋼板などで出来ています。鋼製枠は、表面の仕上がりがとてもきれいですが、生コンクリート打設の際、気泡を抜くのが難しく、あまりに硬い生コンや施工レベルが低いと、綺麗に仕上がらない 場合があります。
木製枠のメリット・デメリット
住宅基礎工事で使われる木製枠は表面がコーティングされているパネコート(化粧板)、 と表面がコーティングされていないコンパネの2種類があります。どちらも木制なので、水分を吸収しやすく 生コンが早く固まってしまう場合があります。
◆右写真:木製型枠の例
〇パネコート(化粧板)
パネコート(化粧板)はコンクリートの仕上がり面が、鋼製枠と同じく非常にきれいに仕上がります。
コンパネ(コンクリートパネル)
コンパネ(コンクリートパネル)は表面が鋼製枠やパネコートに比べ、 コンクリートの仕上がり面が多少粗めだが基礎の表面を後から仕上げるタイプの基礎は、コンクリートの仕上がり部分が、粗いほうが仕上げやすい
◆写真 木製パネルと鋼製パネルの例型枠には
基礎工事の工程 コンクリート打設
配筋・型枠を終えるとコンクリートと流し込むコンクリート打設へと進む工程です。コンクリートの打設はコンクリートポンプ車(コンクリート作業車)と呼ばれる建設機械を用いてコンクリート圧送に使用されます。
トラックミキサにより輸送されたフレッシュコンクリート(生コン)を型枠までトラックに架装されたPTO(パワー・テイク・オフ Power take-off )ポンプを用いて
輸送する用途に使用されます。
※1PTOとは車両駆動用のエンジン動力を作業機の駆動のために取り出す機構のこと。
※ブーム車
市街地の建て混んだ場所や道路の狭い土地で大型の重機が建築現場まで入れないような敷地の場合、ブーム車が使用されます。生コンを離れた場所に圧送するために
折りたたみ式のブームのついたコンクリートポンプ車です。ブームの最大作業高さは4t車で16〜18m、大型の25t車で36m程度です。このブーム月のポンプ車生コンの
輸送が難しい場所への圧送が比較的容易に可能となりました。
◆上の写真と下の写真は反対側から見てはますが同じ基礎です。標高の高い寒冷地で凍結深度を1m20cmとる必用があり、埋め戻した後は地下にこれほどの部分が隠れているとは思いもできません。海面の下にある氷山を思い浮かべると想像出来るかと思います。
基礎工事の工程 完成と養生期間
基礎の養生期間とはコンクリートを打設してから次の作業に入るまでをいいます。打設してからこの養生期間の間にコンクリートがある程度固まっておちつき
次の作業に入れます。
捨コン、フーチンそれぞれの工事ごとに適当な養生期間を置くがこれは比較的短い。大事なのは配筋・型枠の後コンクリートを流し込む工事の養生期間。平坦地の住宅の基礎で最短夏は5日以上、冬は7日以上は取りたい。寒冷地の場合または傾斜地などで高さのある基礎は多めにとる必要があります。
◆
写真右:基礎の高さがあるので1週間以上の養生期間を設け ました
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