建築例26 収納重視の住宅
建築例 26
間取り集
屋根裏と収納の多い間取りD-21
建築知識
間取 D23 パントリー
収納スペースをいかに確保するかは、住宅設計では非常に大事はポイント ●
「自然に囲まれた生活をしたい」。
山や自然が好きなMさんは、早めに引退してその計画を実行。別荘地に住宅を建てた。
それまでの生活経験から、収納スペースの確保の重要性を感じ、随所に収容できるスペース確保した。
写真:蓼科のこの別荘地は500坪以上。子鹿がたちより目を楽しませてくれるなど色々な動物が集まってくる。都会では考えられない。
「毎日1時間歩いて以前より15kも減り、すっかりスリムになった」 と奥さん
1.収納重視の住宅 各部屋の写真
.
・1. 玄関
玄関を入ると左に、納戸とクローゼット
・2. 玄関扉は無垢のレッド・シダー製の
重厚な親子扉
・3. オーナーは音響マニア。
音響効果に優れているのも
シダーの
特徴
・4. 広々とした台所。レッド・シダー製の
収容タップリの食器棚。
アイランド型の料理台の下は
両側に扉がついている。
・5. 台所に隣接した食品庫
・6. 浴室の壁面、天井にレッド・シダー
を貼った。
・7. 丸太を加工して作った
ハンドメイドの
階段
・8. 洗面: 腰板はレッド・シダー
壁の上面は塗り壁
天井はシダー貼り
・9. ダイニング:落ち着いた雰囲気のスペース
図面上の番号、または下の画像をクリックすると拡大表示されます。
2.収納重視の住宅 1階平面図
玄関 3.5 帖 納戸二つ 充分な収納
居間 17.9 帖
食堂 4.1帖 居間と一体の空間 併せて22帖
吹き抜けの開放的な大きな空間
台所 6.6 帖
真ん中に作業台
2.帖の食品庫が隣接
食品庫には勝手口
寝室 5.9 帖の和室 両親用に。
居間を通らず浴室や便所にいける。
掃き出し窓を通ってテラスへも直接
間取り集(D21)でに拡大した平面図が
見られます (一階、二階)
3.収納重視の住宅 二階平面図
吹き抜け空間 13帖強と広く開放的
奥まで窓から陽光が差し込む
ロフト 13.5 帖 壁 7.2m全面に本棚
寝室 9.2 帖
2ベッドとデスクを置ける
4.9帖の広い納戸。
中には4.2mの本棚と
タンス類を置くスペース
屋根裏部屋 9.2帖 寝室の上の屋根裏部屋は
充分に立って歩ける (図上中 点線でxで表示)
ロフトからハシゴで上る。子供の隠れ家に
又は物置に
4.収納重視の住宅 間取り上のヒント
「いかに収納スペース確保するか」が設計上の大きなポイントである。
間取りをる前に収納に関する考え方をまとめておこう。
1.将来のライフスタイルの変化を考える
5年、10年先のライフスタイルを想像して収納を考えること
子どもの成長、家族の変化と共に、物は増え続けていき、物の種類も増えてい
収納する物には、今どんなものがあるか?将来発生を予想されるものは何か?
リストを作ってみるのも収納スペースを考えるのに役立つ
2.上手な収納のポイントは二点
『使うものは使う部屋に収納する』
すくなくとも直ぐ近くに収納を設ける(例:台所の横に食品庫)
例えば、洗濯機は洗面所におく例が多いが、家事を考えると、キッチンの近くに
おくと便利な場合が多い。
『処分する』こと
何年も、使わないでしまっておく物は、基本的に捨てる方がよい。
これは収納、整理ということの対しての考え方、生活習慣の問題。
家を新しく建てるに当たり、見直してみてはどうだろうか。
この際、定期的に「処分する」ことを習慣ずけて見るのも良いかもしれない
3.建設コストと収納
収納を広くすれば、一般的には床面積が増え建設コストがかかる。
しかし、新たな費用をあまりかけずに、発生する空間を利用する方法がある。
間取りを考えるとき、平面的にだけでなく、立体的に考えると良い。
1床下空間 2屋根裏 3階段下 4地下室 5壁空間 6他
予算がない場合、将来空間利用することを考える。その場合構造的な問題も考慮しておくこと
4.その他
固定資産税
建物が大きくなると、それだけ固定資産税額も高くなる。長い目でみれば馬鹿にならない
ではどうしたら良いか。 固定資産税の対象から外れる、残された空間を利用すれば良い。
例1屋根裏空間。
天井高が1.4メートル以下なら建築基準法上は、居室としてみなされず、建築上の面積に加算されない。
面積の直下の階の1/2以下までならOKとされている。
他前項で上げたスペースを見直してみよう
5.収納の実例
4で述べた収納に関するヒントの実例をこの建物でみてみよう
パントリー(食品庫)
台所に隣接した食品庫。一目で何があるかが分り
非常につかいやすいと好評 写真:右
写真では見えないが、棚はL字かたになっており
右側にも同じくらいの棚がある。
玄関収納(納戸とクローゼット)
玄関を入ると納戸が二つ並んでいる
写真:下左
扉横は靴履のまま。奥は玄関を入ってから
扉に近い納戸には外仕事に必要な物をおいている
「必要なものは、使う場所の近くに」の例
壁面収納
洗面室の壁面を利用して収納を作った。 写真:下右
奥行きは狭いが結構ものを置けて重宝
壁面のスペースを利用するというのは意外な盲点
|
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収納の扉が二枚右側に見える |
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玄関収納 |
壁面収納(洗面所) |
台所収納
食器棚 :壁面を一杯に使った食器棚(レッド・シダー製)
高さは天井近くまであり、幅も可能な限り一杯にとった
中央部をオープンにしてトースターやポットなどの置き場として使用している。
アイランド調理台 :レッド・シダー製のキャビネットに本物の大理石のカウンターを置いた
レッド・シダー のメリット
屋根裏部屋(ロフト)
・丸太で作ったロフトの手摺(上の方)の奥が屋根裏部屋
・二階から梯子で上がる(白い壁の横に見える)
・子供が4〜5人は楽に寝るスペースがある 写真右
階段下収納
階段の右に見える扉は階段下収納 写真右
折り返し階段の後半部(8段目〜二階床まで)を利用しているので
奥のほうで1m30くらい、扉側で2m40の高さがあり、
幅収約1m×奥行き約2mあるので収納力は結構ある。
本棚
壁面を利用した本棚
壁面(H:90cm)のスペースを有効に利用した
地下倉庫
外階段の陰に隠れて、よく見えないだろうが、
緩傾斜のために生じたコンクリート基礎の立ち上
がりを利用して
地下倉庫を設けている。
地下倉庫といっても、立ってたって歩けるだけの
高さは十分にある。広さは4帖ほど。
ガーデニング(庭造り)や畑仕事のための道具、
車のスペアタイヤなど、
かなりのスペースを
必要とする物も収容できて便利。
ほかに地下室を利用した例
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