ログハウス専科
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ログハウス専科 02 木の仕組み

 
第二回は木の仕組みとそれに伴う性質

ハンドカットのログハウスにはセトリングという特殊な
現象がある。「木」の仕組みを知っておくと理解しやすい。

また、木は何故巨大になりうるのか。家を作る上で
あまりプラスにならないかもしれないが 話のたねに。

「ログハウス技術専門書「ログハウス専科」より
(三浦亮三郎 著 山と渓谷社 発行)

現在書店では売られていないが。 アマゾン(amazon)で購入できる
ログハウス専科―丸太小屋づくりの実践マニュアル (WOODY LIFE選書) [単行本]   三浦 亮三郎 (著)


1.「ログハウス専科」目次 

2.木の仕組み

3.ログハウスの道具

4. 

5.

6. 

7.

8. 


第3回 木の性質 目次





表紙








     

1.ログハウスの特殊性 セトリング


ハンドカットのログハウスは、ほとんどグリーン(生)の状態で使用する。
その結果、収縮とセトリングという他の構法の家では全く考えられない現象に対応する必要が出てくる。ログハウスつくりの特殊性、むずかしさのほとんどはこのセトリングに起因するわけである。
写真上: ドローナイフを用いてのピーリング作業。ログハウスつくりの第一歩である

 

2.木の仕組み

心材と辺材

 木材(針葉樹)の断面をみる、髄心を中心に年輪を形成しているのが分かる。年輪は、季節による成長の早さの差により生ずる。春から夏にかけて成長した春材と秋から冬にかけて緩やかに育った秋材である。

  樹皮をむくと中は心材と辺材に分かれる。辺材は周辺を形成する部分で組織は若く、生きて、生理活動行っている。樹木が肥大し新しい辺材が形成されるに従い、柔細胞は順次原形質を失い、死細胞に移行してゆく。このような死細胞だけからなる部分を心材といいという。多くの樹種では、心材化によって濃く着色した心材部をつくるので赤みともいい、これに対して白色ないし淡色の辺材を白太とも呼んでいる。
  スギの木口をみると、その違いがはっきり分かる。辺材は水分が多く、一般に軟質で吸湿性があり、比較的狂いが多い。それに対して心材は水分の含有率は少なく、比較的乾いた状態で狂いが少ない。収縮の大部分は辺材で起こる。

仮道管

針葉樹の90%は仮道管と呼ばれる紡錘状の細長い細胞によって占められる。これは最も重要な要素である。仮道管壁は辺材部では水分の通導作用を行い、さらに樹体を保つための機械的な支持の役目を持っている。木の組織について簡単に説明したが、これから述べる木の持ついろいろな現象も、この組織上の仕組みからくるわけである。
 

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3.木の収縮と割れ


自然乾燥の限界

木の細胞膜外部の水分は、自然乾燥によりある程度乾燥するが、細胞内部の水分は強制的に乾燥させて初めて失われる。したがってピーリングして仮組をし、長期間(1年以上)放置しておいたとしても、最終的なところまでの収縮、セトリングは進まない。家が完成して、暖房を入れて初めて本格的な木の収縮とそれに伴うセトリングが進むのである。

方向による収縮度の違い

収縮の度合いは年輪に沿った方向(図のA)が最も大きく、次に半径方向(図のB)が最も少なくほとんど無視していい程度である。
丸太のひび割れは、年輪に沿った方向の収縮が最も大きく、木自体が繊維方向に従って割れる性質をもっているために起こる。これは薪割をするとき経験すると思う。木に縦にアックスを入れるとバカーット割れる。年輪を断ち切るように、まず木口に放射状に亀裂が入り繊維方向に延びていく。この割れは、構造的に問題になることは少ない。ログハウスにおいて収縮が問題になるのはノッチの部分である。これについてはあとで説明する。

4.樹木はなぜ大きくなるのか

 

 樹木はあらゆる生物の中で最も長命であり、かつ巨大である。たとえばカリフォルニアとオレゴン州の境界付近に生育しているセコイアは、高さ100m以上寿命も数千年のオーダーである。

  ログハウスによくつかわれるダグラスファーやシダーもかなり巨大化する樹種である。
では、なぜそれほどまで巨大になりうるのかご存じだろうか。上の木の仕組みの図にあるように樹皮と木部の間に形成層という生活組織があり、この働きで細長い繊維状の細胞を作る。生きている間は細胞分裂するので、限りなく巨大化し得るし高さも高くなる。

  しかし、巨大は体を支えるには力学的に強力な構造がひつようである。樹木のもっとも必要な科学成分は、セルロースというブドウ糖が凍結してできた細長い糸状の高分子で、引っ張りに対して強い力を持っている。
それ自体は糸のようにしなやかであるから、何トンという巨体を支えることはできない。構造物を作るにはほかにリグニンというフェノール樹脂のような物質がセルローズの糸を固めることによって可能になる。いわばセルロースは鉄筋コンクリートの鉄筋、リグニンはさしずめセメントの役割を果たしている。

  面白いことに、このリグニンという物質は、細胞が形成層で造られるときの排泄物と考えられている。一般に生物では、このような物質は毒性があるため、外に排出されるのであるが、植物は動物のように排出機能が発達していないので、この毒性物質を無害化し、自分の体の強化のために利用しているとうわけである。

5.レッドシダーの巨木

30年ほど前バンクーバー島で発見されたウエスタン・レッドシダーの巨木。
直径6mほどの巨木で樹齢は推定8000年。 バンクーバーに住む私の友人から送られてきた写真である。



 

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