凍結深度と基礎工事
間取り集E026 十和田石の浴室
基礎工事
○八ケ岳のこの別荘地は標高が1300〜1800と高く厳冬期には零下20度を下回る日もあります。
建設予定のYさんの敷地は
標高1650mの地、給排水工事とともに基礎工事もその寒さに対応したものでなければなりません。基礎の深さを凍結深度以下にするということです。
○オーナープロフィル(建設当時)
年齢:60代半
職業:会社役員(ご主人)会社役員(奥様)
住まい:千葉県
写真:全面シダーの横張り。
外壁は「自然にマッチして落ち着いた中にもおしゃれな感覚を」というご希望でこの色に(ブルーグレー)。
地形に合わせてベランダの高さは3段階の高さに。完成した段階では基礎が地面の下深く(凍結深度以下)にあることを想像できません。
即ち、凍結深度とは、寒冷地で冬期に地面の下が凍る深さのことです。
土は凍ることによって膨張し、それによって生じる想像を絶する力で、基礎やその上の建物が持ち上げられたり基礎のコンクリートをひび割れさせる原因となります。
建物の基礎を土が凍る位置、凍結深度以上に設置すると、凍結した土が盛り上がり基礎の位置が動いて建物が持ち上げられ傾いてしまいます。
地面の下まで凍るような寒冷地に住宅を建設する場合は非常に重要なポイントです。
※◆右上の図は基礎断面図の例。GL(グランドレベル)からフーチンのそこまで
が凍結深度以上でなくてはなりません。
地元の基礎工事業者なら必ず知っていますが温暖地より経験のない設計士は凍結深度を知らない場合もありますので確認しておきましょう。
凍結深度については、建物の安全等を確保するため建築基準法第40条の規定
に基づき地方公共団体が条例で定めている場合がありますので、寒冷地での建築を
計画する際には役所、もしくは検査機関等に照合する必要があります。基礎のふかさがが凍結深度以上でなくてはなりません。
冬期の最低気温は地域によって違いますので、凍結深度も違ってきます。このY邸の建設予定地は1m20cm以上となっています。すなわちこの深度1m20cm以上深くに基礎
を埋めなくてはなりません。
この凍結深度は地域によって違うので、その土地を管轄する役所の建設課や地方土木事務所で確かめると良いです。その場合、位置を特定出来る住所が必用になります。
Y邸は標高の高い、しかも緩くはあるが、傾斜があった。建設予定地の一番高い位置と低い位置とでは3m以上の落差が生じました。
基礎は水平ですので、基礎の一番高いところは3m+1.2m+
凍結深度 1m20
落差 3m以上
地面から上の部分 0.4m 合計4.5mもの高さになります。
基礎が完成し土を埋め戻すと、その部分は土の下に隠れてしまいます。
◆右上の写真は道路側高い位置からの写真(埋め戻している途中)
右下の写真は埋め戻すまえ、下からの様子。これで基礎の高さがよく分かります。
基礎工事の費用は温暖地で平坦の場合と 傾斜があり凍結深度の深いところとでは、時には数倍の費用 が発生する場合があるので、
土地の選定にあたっては留意したい点です。
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