
家の前に見える白いものは解体した
家から貰い受けた太陽光パネル
しっかりと働いていて電気の大半を
まかなっている
ある日、家を解体している現場を,偶然由美子さんが通りかかった。トラックに詰め込み、ロープを掛け今まさに出発しようとしている。
(あっつ、色々使えそうな物がありそうだ)
写真下:手に入ったアルミサッシはサンルームに
思わぬ苦労の種がカナダと日本の寸法の差だった。日本いまだに尺や間が多く、それにメートルが併用されている。 カナダはフィートとインチ。計算するときに混乱するし、うっかりすると勘違いしてカットしてしまう。
写真:屋根裏で作業するモーリス
家は県道から山道に入り、300mほど登ったところにある。その道が雨の後はぬかるんで大変だった。
1キロと離れていないところに採石場があり、交渉すると「自分で運ぶのなら石はいくらでも無料で上げるよ」と言ってくれた。
スコップを振るい軽トラックに石を積み現場に運ぶ。トラックをすこしづつ動かしながら石を道路に撒いていく。
毎日5台分位づつ、延べ30台分くらいの砕石を運び敷き詰め、1週間かけて完成した。 重機を使うのなら簡単だったろうが、全て手作業、鍛え上げたモーリスの体力があればこそである。
鈴木さんとその一家、稲垣さん。そして新しく知り合った人たち。皆本当に自分の息子や娘、あるいは兄弟のように暖かく見守り、応援してくれた。 この人達の励ましがなかったら、果たしてここまで来れたろうか。
今こうして自由に使っている水、ソーラーシステムの恩恵で暖まった風呂に入る時、増築して快適になった台所で食事を作る時、 その時々の苦労の数々が走馬灯のように脳裏をよぎり、ついつい感慨に耽ってしまう。
年月が過ぎて、二人にとって特別なこの時代を振り返るとき、きっとかけがいのない思い出として残ることだろう
。冬は雪に閉ざされる 庭の直ぐ背後に1000m近くの山が控える
8月16日、バンクーバー島のナナイモで晴れ晴れとした気持ちで結婚式を挙げた。快晴に恵まれた爽やかな日だった。
カルガリー州のレスブリッジから両親とケンとデイブの二人の弟そして多くの友人達が参加して皆暖かく二人の前途を祝福してくれた。
今年送ってきた年賀状には、結婚式での着物姿の由美子さん、羽織袴のモーリスが写っていた。 実に様になっている。それもそのはず、由美子さんは着物の着付けを教える資格を持っている。
由美子さんから届いたメールの一言一言に、1年3ヶ月という時間の中で味わった数々の想いが凝縮されているように思える。
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「この家の改築作業は、モーリスと私の関係を強めるとてもいい機会をなりました。 あの1年3ヶ月は、二人の体力面、精神面・・いろいろな意味で挑戦でした。 (あの間にモーリスは一気にやつれて白髪が増えました)
二人の中には、あれを乗り越えたんだから、という思いがあります」
モーリスに白髪の話をしましたら、1本ずつ指でつまんで「これは由美子が・・月・・日に〜をした時。これは〜の時に出来た・・・」とまた例によって嫌味なジョークを言っていました。
あとで振り返った時に、あの年月が、そして今が輝いて見えるように、この先私達にもまだまだ困難が待ち受けている事と思いますが、彼と力を合わせて一生懸命生きて行きたいと思っています。
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