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ロガーの末裔たち 第1回 誇り高き男たち

ロガースポーツという言葉を聞いたことがあるだろうか?

木登り競争、丸太転がし、斧投げ、などなど
開拓時代のロガーの技術をスポーツ化したのもである。

だが、そもそもロガーというのはどういう人種なのだろう


ロガーの末裔たち 第1回  誇り高き男たち

ロガーの末裔たち 第2回  ロガーたち

ロガーの末裔たち 第3回 ティンバーショーとは

ロガーの末裔たち 第4回 ショーの準備と開演

ロガーの末裔たち 第5回 樹齢3000年の巨木


ロガーの末裔たち 第1回 目次

    







1木登りにトライ

    マイク・ロジャーソンが余りにも簡単そうにするすると登って行くのを見て、(俺にも出来そう)と甘く考えたのが間違いのもとだった。 3mほど登ったところで早くも後悔し始める。けれど、ここですごすごと降りては余りにも情けない。意地でももう少しは登らないと格好がつかない。 一休みして、また恐る恐る登り始めた
 外観からは完成しているようにみえるのだが

爪をしっかり打ち込んだつもりだったが、蹴りこんだ方向が悪かったのか上手く丸太に食い込まず、 ずるっつと靴が滑った。

冷や汗が流れる。もう限界だった。ほど登ったところで諦めて、すずっつ、 ずずっつとずり下りる。無事下り終えた時には汗まみれになっていた。
この20の高さマイクは10秒足らずで登ってしまう。 全く何て凄い奴なんだ。



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1991年秋、北九州市で開催される緑化フエアの開催を間近に控えていた。
このフェアの目玉として 企画されたティンバー・ショーの準備の最中の出来事である。
マイクはロガー・スポーツの花形、木登りの世界チャンピョンになったこともある、この世界の第一 人者であり、ウイック・ハイム・ティンバー・ショーの一員としてこのショーに参加している。
そしてひょんなことでこの企画を請け負うことになった私は、手探り状態でスタートしての準備を重ね
、何とか実現にこぎつけて、今こうしてここにいる

ロガー・スポーツ? ティンバー・ショー? 聞いた事がない。
そう、ログハウスつくりに長年携わってきた私でさえ、 こんな機会でもなければ触れることのなかった
世界である。
まあ詳しいことはおいおい書くとして、背景となる古き時代の ロガー達のことから話しを始めよう。

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2.巨木とロガー


ダブテイルの作業風景 バンクーバーのとある古本屋で面白そうな本をみつけた。Glory days of Logging 」「British Columbia’s Logging History」の二冊である。

Logging は“林業”とでも訳したら良いだろうか。 ぱらぱらとペイジを捲ると、いかにも古き時代と分かる珍しい写真が眼に飛び込んできて興味を惹かれ迷わず買い求めた。

20 年近く前のことである。 日曜大工店で買った道具類と一緒にザックに詰め込んで日本に持ち帰り、それ以来事務所の本棚に並べてあり、 時々思い出したように取り出しては楽しんでいる。写真を眺めているだけで飽きることはない。この本で私は ロガー達について多くを学んだ



  

3.ロガーという誇り高き男たち

    ロガーは日本語に訳すと「きこり」となるが、実はいくつかの全く異なる職種に分かれている
男達の総称であり、 独特の世界を形づくっていて興味がつきない。
独特の世界を形づくっていて興味がつきない。 本の中に巨木を紹介した写真が何枚かある。
その中の一枚、切り倒された木の巨大な切り口を背景に、 人の屈強そうな男達が思い思いのポーズをとって立っている写真がある。
樹種はレッドウッド。木の切り口に17 1/2 という数字が書かれている
。木の直径が1フィート半という意味である。
   
ダブテイルの作業風景メートルに直すと5m30cm。 試しに大股で5歩ほど歩いてみて欲しい。
その巨大さが実感できることと思う。断面積でいうと約15畳の部屋に匹敵する。
残念ながら木の高さは書かれていないが恐ら100m近くあったに違いない。

試しに計算してみた。仮に長さ80m平均直径3mとすると体積は565立方メートル。
普通ログハウス用に我々が使用する平均的な丸太は長さ12m平均直径30cm
、これがおよそ1立方メートル。30坪くらいの 平均的なログハウスに使用するのは70〜8本。
565本分ということは、そんなログハウスが8棟ほど建てられる量である。
そう考えるといかに巨大であるかが分かると思う。


   

 

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