犬とデッキ
愛犬のために、長眺めを楽しみ、開放感に溢れたデッキを造った人たち。三人の造った家のデッキを 三例紹介する。
■広くデッキを大きくつくったことと、犬のトイレ・スペースをつくったことは改めてよかったと思いました。これまでの経験を生かして設計したので、不満はまったく
ありません。とIさん(蓼科)
■マンションでストレスの多い生活を余儀なくされていた愛犬のため
軽井沢への移住を決心したHさん
■「主人公は犬、ここは犬小屋。私たちは犬小屋に住まわせてもらっている居候」を話すTさん(伊豆) 施行例4 蓼科の別荘
犬のための広いデッキ (蓼科のIさん)
それに部屋が汚くても、デッキが広ければお客さんも呼べますからね(笑)犬のトイレ小屋をわざわざ外に作ったのは、自分たちが楽をしたいためです。 用を足したくなったら、いつでも自由に行ける。砂利敷きですから、ホースで水をかければすぐにきれいになってしまう。別荘が完成した後のIさんの感想である。空気がさわやかなため、犬も外にいる時間が長いという。のびのびするためにも多少部屋が狭くなってでも デッキは大きくした方がいい、と一瀬さんは言う。(写真上:庭からの別荘のデッキを見上げる) 【部屋の広さを多少犠牲にしてもデッキを大きく取った方がいいよ」と、犬を飼っている人におすすめしているくらい】とIさんは、この設計に満足そう、
自分のこの別荘建築の経験からだ。【犬たちも、いったんここへ来ると、なかなか帰ろうとしないんです】と笑う。
◆上右:開放的な広いデッキ。30畳もの広さだ。コの字型に囲んでいる。デッキ階段を下りて庭に出ることが出来る
【特にお願いしたのが犬を基準にした規格です。 例えばデッキの床の幅。床材の貼り合わせの隙間を何センチにするかを決めるときに、 チワワの足を物差しで測って「何センチなら大丈夫だ」って細かく打合せをしました。現場で作業する大工さんにとっては仕事しづらいんですが、 でもその注文には意味のあることを理解して頂きました】。
今回の家は傾斜地に建つ予定で30畳の広大なデッキがある。デッキは犬の遊び場なので、それは必要条件でしたね。犬のことを犬の立場で考 えて作るというのが条件だったですから。
デッキからの眺め
デッキからの眺めは素晴らしい。長野県の立科町にある一瀬さんの別荘は、標高1600mというとても見晴らしのいい場所に建てられている。
間近には蓼科山や女神湖を望むことができ、夏には花火が、冬にはゲレンデのあかりが美しく輝く。訪れた者をくつろがせ、和ませる空間がそこにはある。
デッキは犬たちが自由に走りまわれる贅沢なスペース。天気の良い日は来客とお茶を楽しむスペースになる。床板の隙間の幅や手摺の柵の幅は身体がいちばん
◆上右:開放的な広いデッキからは、アルプスを全貌する素晴らしい眺め。犬たちも飼い主もIさんもここでの生活を満喫している。別荘としては日本で最も標高の高い場所に建てられた一瀬さんの別荘。近くには蓼科山や女神湖が見える
眺望に恵まれた蓼科高原の別荘地に建つI邸。木の外壁、木製サッシ、ドーマーなど、この地の気候に合わないと思われていたが数々の挑戦に見事に成功。 10年を経た今も新築の趣を保っている。
デッキの扉
外に出る扉は内開きが基本です。なぜかというと、人間のほうが先に出て、犬が飛び出さないように抑えることが出来るでしょう。そと開きだと、 開いた隙間から先に犬がでちゃう。ほんの小さなことですが、後々大きく生活に響いてくるものです。ちょっとしたことで快適になる。◆右 デッキの扉はすべて内開き
犬が勝手に開けないように登山用具のからびなが掛けられている。これにより偶発的な開閉による、犬の飛び出し事故を未然に防ぐ
犬がノミやダニを持ち込む
いくらきれいにシャンプーしても、デッキの外に出ればノミがトビついてくるんです。特に芝生にいるノミは犬につきやすいんです。散歩に行けば、 必ずノミを持って帰って考えたほうがいいです。犬はノミにさされると、ノミアレルギーになるケースが多いんです。その症状になると皮膚がただれてしまう。 だから、ノミが出来るだけ入りこまない家が理想なんですが。完全には難しい。そこで防虫効果の優れたシダーがものをいうのです。
シダーはダニやノミが嫌うし、たとえついてきても、シダーの殺虫効果でいなくなってしまう。
デッキから南側に広がる庭へ自由に出入りできる階段は散歩にも便利。木のボリューム感がデザイン的なアクセントになっている。
◆左:デッキに設けた水場は何かと使い勝手がいい。もうすぐ二歳になるジャックラッセル・テリアの「ゆりり」は蛇口から直接水を飲むのが好き。
◆右:デッキに設けられたテーブルは一瀬さんのお手製。訪問客と一緒にお茶を飲んだり、犬も人も和む空間。
一階とデッキの広さ比較
蓼科の別荘平面図。 一階の家とデッキの広さを見比べると、いかにデッキが広いかが分かる
愛犬とデッキからの眺めを楽しむ
犬のためのワイドなデッキとテラス (軽井沢のHさん)
軽井沢の別荘地に住宅を構え新幹線通勤しているHさん。それまではマンション住まいのために愛犬のコリーは周りを気にしなくてはいけないストレスの溜まる生活。そんな状況をみて何とか自然のなかでのびのびと暮らせるようにしたい、と一大決心をして軽井沢の別荘地に土地をも停めた。敷地は300坪以上もある広さ。
広いデッキからはゴルフ場を下に見てはるかかなたの山並みも望める。
バルコニーは奥行も長さもワイドなゆとりのあふれるスペースだ。南向きなので、風のない冬の晴れた日はポカポカ。ひなたぼっこが心地よい。
バルコニーの床材は20mmもの厚いデッキ材を使用。この木材は表面がツルツルしていないので、すべりにく い。ライトも設置。涼しい避暑地の軽井沢の夏は、ここで夕涼み。何ともうらやましい住まいだ。
犬と眺望を楽しむデッキ (伊豆のTさん)
Tさんは動物をテーマにしたフリーライター。野生動物の記事を手がけるなど、動物に関する造詣も深い
人生のほとんどを犬と暮らしてきたほどの愛犬家。以前はペット可のマンションに住んでいたが、マンション側の事情でペットが禁止。それがきっかけで家を建てることになった。土地を探し、犬が快適に暮らすための家を造ったTさん。
「この家は犬小屋。犬が主人公で自分はその犬小屋に居候している身」というほど犬の健康と快適さを第一にと考えた家つくりを心がけた。出来上がった家のなかでもデッキは大のお気に入りの場所。Tさんはここからの眺めを愛犬と一緒に楽しんでいる。
上左:デッキからの眺めを楽しむ愛犬。緑の 向こうには海岸を臨む
上下: 犬のご飯の調理後に必要な場所
「ここは何なの?」と、質問が多いこのベランダは、調理したご飯をさ ますためのスペース。通常はドアが閉まる。熱いものは苦手だが早く食べたい犬
たちには必需箇所。根 菜類の保管や不燃物物置場にも有効活用。
右:ワイルドさとエレガントさがうまく同居した外観。デッキからの眺望をさえぎるものはない。海と町並みがT邸 の借景だ。陽光を浴びながら楽しみながらデッキでの時間を楽しむ
フロンティアワールドの家 ラインアップ
ハンドカットのログハウスからコンクリートのマンション、一般住宅まで。フロンティアワールドの「家」のバリエーション
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