ログハウスのペンション

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 ログハウスのペンション 雑誌記事 34


■ 170坪というログハウスのペンションが完成した。このペンションはログハウスの各種の構法、ノッチ組、ポスト&ビーム、ピースエンピースなど組み合わせたいわばハイブリッドのログハウス である。

■ カナダのログビルディングと日本の木造技術が、カナダと日本の間の人材交流でお互いの特徴、よい所を出しあって結実したペンションである。
  使われた仕口、継ぎ手など日本の伝統的木工の技術をログハウス取り入れた極めてユニークなログハウスのペンションが出来上がった。


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間取集
施工例

1.ペンションをログハウスで造った理由

   


  ダイニング・ルームの外観。ポストとビームの組み合わせは下側が仕口、上部は特注の金具で、まさに日本とカナダの技術のミックスだ。
「僕は旅行がすきで、カナダにもいきました。そこで見たログハウスは素晴らしくてもう感激しました。ログハウスって一番自然に近い建物ですしね」

「ペンションは前からやりたい仕事でしたが、お客さんがペンションを選ぶ最大の理由は外観だと思っていました。そこでどんな建物がいいか、ということになると、ログハウスになってしまうのです。

  それにペンションというのは、自分がそこに住んでいくわけですから、長い間飽きの来ないものがよいと思いました。

その点、マッチ箱のようなペンションは飽きが来るし、お客様も本物を求めている時代ではないかと思いました。」とオーナーはいう。  ペンションはいま予約一杯の状況でうれしい悲鳴を上げている。



2.自由度の高いポスト&ビームのログハウス

  
ロビーから客室に向かう
170坪というと現行の丸太組み工法(ログを横に組んだノッチ組)では最大限度を超えてしまいクリアできない。またこれだけ大きな建物になると、デザイン的に単調になりがち。そこでポスト&ビームを構造のベースと定めた。
ポスト&ビームはその名の通りポスト(柱)とビーム(梁)で組む丸太の家で、構法的には日本の在来構法に近い建築方法である。デザイン的な制約が少ないし、柱と梁をどう組むかを考えれば、日本の建築確認もとりやすい。
 
写真右  :ポスト&ビームの室内の雰囲気は、日本の古い民家に近い

写真下左:客室への通路。ポスト&ビームの丸太の間は白壁。日本的で       落ち着いている
写真下中: ピースエンピースのログを腰高まで見せている
写真下右: これも客室のひとつ。白壁に囲まれた白い部屋にログがア        クセントになっている
客室への通路 客室1 客室2

 

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3.ログハウスに日本の仕口を取り入れる

   このログハウスのペンションのメイン・ダイニングルームの   ポスト&ビーム。中央のポストに集まる四本の梁が日本の仕   口に組まれている。


金物はあくまで飾りで金物が腐ってもログの構造だけで保てる日本の仕口でやってみたかった。
大きな建物、大きな空間をつくるときは金物で逃げないで日本の仕口を取り入れるべきと考えたからだ。

例えば大きな空間を支える棟木は長いのでどこかでつながなくてはならないが、こんな場合でもカナダでは相欠きといってお互いの材をある長さだけ半分カットして組み合わせ、ボルトで留めるケースが多い。柱と梁の組方も、カナダではピンでとめることが多い。

 このログハウスのペンションのメインダイニングルームのポストには四方向から微ビームが入るが、そういう箇所は特に仕口で作った方が良い。金物で支えれば50年や60年はもつだろうけど、仕口で支えれば何百年ともつかもしれない。仕口ひとつで良いよいログハウスが生まれる可能性があった。
 

4. ログハウスを意識しないでデザインする。

 
サドルノッチのコーナーも使われて、デザインに変化をつけているが、内装制限をクリアするため内壁は耐火ボードの上に漆喰の壁となっている

デザインはログハウスであることに、あまり捕らわれすぎないようにと考えた。まずはログハウスであることをあまり意識せずにプランを作り、それを果たしてログでやれるかどうか、どうしたらログハウスに応用できるかと、逆の発想の考えかたをした。

  建築規則的なものはあとで考えるとして、ここはノッチでやろう、ここはポスト&ビームだ・・・と具体的にあてはめていく




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5. 日本の大工とログビルダーの共同作業

 
      日本の大工とカナダのビルダー達
日本の仕口は日本の大工でないと分からない。日本の大工にはログハウスの技術と経験がない。一方ログビルダーには仕口ができない。それをどう解決するかが一番の問題だった。

 結局日本の大工を4人とスタッフを派遣し、カナダのサイトで一緒に作業するという方法を取ることにした。日本の大工は3か月半アパート暮らしである。

 出来上がったログハウスは、柱と梁という日本的な構造がベースで、内装制限の問題もあって、部屋の内部は塗り壁が主体で外壁はログの柱の間にログを組んだピースエンピース。ところどこにノッチで組んだ壁が飾りとして入っている。全体としてシンプルでトラディショナルな雰囲気となった。

下の写真は使用された日本の仕口の例。大いれ蟻掛、腰掛蟻と呼ばれるもの。日本の大工さんの世界では特に珍しいものではないが、カナディアンのログに使われるのは珍しい。

 
 
 


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